コラム

貸した物を返してほしい時の請求

物を貸したのに返ってこない・・・例えば車を知人に貸したまま返してもらえないような場合のお話です。

そもそも「返してくれ」と請求できるのか?

物(金銭以外)を無償で貸す行為は、民法上「使用貸借」と呼ばれる取引行為になります。貸した側からすれば返してほしくなったら借りている人に請求することになりますが、そもそもタイミング的に、借りている人に「今すぐ返してくれ」と請求できるタイミングなのかという点を考えなくてはいけません。

無償すなわちタダで貸しているんだからいつでも返してもらえるのでは?と思われるかもしれませんが、いくつかに場合分けして考える必要があります。


①返還の時期を定めて貸した場合

①-1期限が未到来の場合
①-2期限が到来している場合

②期限を定めず貸した場合
②-1使用目的を定めていた場合
②-2使用目的を定めていなかった場合

期限を定めて貸した場合

まず①-1です。返還の時期、すなわち期限を定めて貸して、その期限が未到来の場合は原則として借りている人に返すよう請求することはできません。〇月〇日までと約束して貸した物を、まだ期限が来ていないのに返せというのはさすがに無理があるのは一般的な感覚からいっても腑に落ちると思います。

ただし例外があり、あらかじめ用途を定めていて、借りた人がその用途に反して使用した場合や、借りた人が貸主に無断で第三者に又貸しした場合などには期限が来ていなくても返すよう請求できることがあります。

次に①-2です。これはもちろん請求できます。〇月〇日までと約束して貸した物を、その期日が過ぎたので返してほしいと請求する、ごく常識的な話です。

期限を定めず貸した場合

期限を定めずに貸した場合には、貸した物の使用目的を定めていたかどうかが問題となりますが、使用目的を定めていた場合、すなわち②-1の場合には目的に従って使用を終えた時、または終える前でも通常終えるのに必要な期間を経過した時に、借りている人に返せと請求できます。

一方、期限も使用目的も定めていなかった、②-2のような場合には、貸主はいつでも返還の請求ができます。

以上、一口に「貸した物を返してほしい」といってもいくつかの場合に分けて考える必要があるというお話でした。

内容証明郵便で請求する時のポイント

口頭で返してくれるよう請求し、それで実際に返してもらえれば一件落着ですが、そうでない場合はちょっと困ったことになりますね。訴訟を起こすのも一案ですがそこまでするほどのことでもない、したくないという人も多いと思います。

そこで次なる手段として考えられるのが書面で催促するという方法です。普通のハガキや手紙でもいいですが、内容証明郵便を使うと書面の内容や日付などが記録として残るため、万が一裁判ということになった場合にも有力な証拠となり得るので、ちょっと強めに心理的プレッシャーをかけたいという時にはおすすめの方法です。

今回のようなケースで内容証明郵便を作成する時のポイントは以下のようになります。

Point

・期限を明記する(定めていなければ定めていない旨を明記する)
・使用目的を明記する(定めていなければ定めていない旨を明記する)
・貸した物を特定する(例えば車の場合はメーカー・車種・型式・ナンバー等)

内容証明郵便についての一般的な事項(決まり事、料金等)が知りたい方は別記事で説明しておりますので、そちらも併せてご覧ください。

内容証明郵便とは?利用法から書き方のポイントまでを解説>>

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