民法改正(債権法)のポイント

民法(債権法)改正ポイント解説【636条】請負人の担保責任の制限

※当記事は、2017年5月に成立し、2020年4月から施行された改正民法(債権法)に関する解説記事です。

改正民法第636条

請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したとき(その引き渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了したときに仕事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないとき)は、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。

改正前民法第636条

前2条の規定は、仕事の目的物の瑕疵が注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた時は、適用しない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。

ポイント

  • ・基本的な趣旨は現行636条と変わらず。
  • ・「前2条」(634,635条)が削除されたこととの整合性を取るために表現が改められた。

請負に関する改正についての前提知識

請負はその形態として売買と類似している点が多くあります。(例えば目的物の引き渡しに対して報酬を支払う点など)

そのため類似点はできるだけ売買に関する規定に寄せよう(=包括準用)、そして請負に特有の状況だけを別個の規定として切り出そうという方向性で今回の改正はなされています。

例えば請負人の担保責任については売買の担保責任に関する559条を包括準用するよう改正されています。

改正後も趣旨は変わらず

当該規定は例えば建築の請負等、注文者が請負人に対して提供した材料や指図が原因で瑕疵(改正後は契約不適合)が発生した場合という、まさに請負特有の状況なので、現行と同じ趣旨を維持しつつ、(売買の規定に吸収されたことに伴い)削除された「前2条」(634,635条)との文言の整合性を取るために、表現が改められました。

ただ、読み比べてみても改正前の方が趣旨を理解しやすい表現だった気がしないでもないですが。。

一般的なケースは売買規定を準用

より一般的抽象的に、瑕疵があること(改正後は契約不適合)について注文者に帰責事由が存在する場合には、売買の規定である改正後562条2項が準用されます。

562条2項ではカバーできない、請負特有の状況のために636条が維持されたという関係となります。

<<【634条】注文者が受ける利益の割合に応じた報酬【第637条】目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限>>

他の記事を検索