民法改正(債権法)のポイント

民法(債権法)改正ポイント解説【第98条の2】意思表示の受領能力

改正民法第98条の2

意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に意思能力を有しなかったとき又は未成年者若しくは成年被後見人であったときは、その意思表示をもってその相手方に対抗することができない。ただし、次に掲げる者がその意思表示を知った後は、この限りでない。
(1) 相手方の法定代理人
(2) 意思能力を回復し、又は行為能力者となった相手方

現行民法第98条の2

意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に未成年者又は成年被後見人であったときは、その意思表示を持ってその相手方に対抗することができない。ただし、その法定代理人がその意思表示を知った後は、この限りでない。

従前の趣旨を補完する形で明記

例えば小さな子供に対し「お家の土地を100万円で売ってほしいんだけどどうかな?」と尋ね、その子が同意したとして、それが法律行為として有効に成立するかというとそうではありません。従って「100万円持って来たから約束通り土地をください」と主張することはできません。

これが成年同士であれば、契約は意思表示の合致で成立するので一応上記のような主張はできることになります。

未成年者や成年被後見人は物事を認識したり判断したりする能力が不十分であり、相手方の意思表示を理解する能力も不十分であるため、保護する必要があるという趣旨で設けられているのが98条の2の規定です。この趣旨は改正前後で変わりありません。

意思表示を理解する能力が不十分である者を保護するという趣旨からすれば、未成年者や成年被後見人に限定せずに、当該能力が不十分な者は同様に保護されるべきなので、改正後の文言には「意思能力を有しなかったとき」という形で明文化されました。

また、上記趣旨からすれば保護の対象となった者が後に意思表示を理解する能力を得た場合には保護する理由はなくなるので、その旨も明文化されました。例えば未成年者であった者が成年になった後や成年被後見人が意思能力を取り戻した後で意思表示の内容を知った場合などが考えられます。

<<【第97条】意思表示の効力発生時期等【第166条】債権等の消滅時効>>

他の記事を検索